レディース秋ファッション 流行キーワード10選
ノームコアといったような普通っぽいファッションが流行っていたのは、もう昔の話。

ヴィンテージ柄とベロアパンツ
2017年のレディース秋ファッションの特徴を一言で言えば「百花繚乱」という言葉が当てはまりそうなほど、デコラティブで多種多様なムーブメントが立ち上がって来たシーズンでした。

柄に柄を合わせる秋コーデ
派手めな色使いや、斬新な素材の合わせ方だけじゃなく、着こなし方も自由な発想で「自分らしく着こなす」のがトレンドになっています。

秋服は英国チェックがトレンドに
今年の秋ファッションで注目の着こなしやトレンドを 10個のキーワード でまとめてみました。
1.ノールールミクスチャー(ルールなしで混ぜる)

革のスカーフ セリーヌ 2017秋冬
昨年のレディース秋冬コレクションでも、自由に着こなすという意味合いでの「スポンテニアス」は、トレンドに浮上して来ていましたが、今シーズンは、その流れがさらに加速。
ジャケットとシャツが合体していたり、トップスやパンツの丈を変えられたり、服そのものにギミック的な仕掛けが施されているものに加えて、着こなしでも、今までにないような自由な発想でコーディネートしていこう…というような流れが出て来ています。
例えば、パリの秋冬プレタコレクションでは、セリーヌが…
- 革素材のフードを首に巻いてスカーフにしたり
- モヘア素材のでっかいブランケットを手に持ってみたり
- ジャケット上からシャツを腰巻きにしてみたり
…と、遊びの効いたスタイルを披露してました。

ジャケットの上からシャツを腰巻き
ステレオタイプなコーディネートのルールを取っ払い「自分らしく着こなしていこう」という流れになって来てるので、2017年のレディース秋服では、ファッションルールから、多少逸脱しても、自分が「面白い」と思った組み合わせや着こなしを試してみる絶好のチャンスです。
2.オポジットミックス(正反対のものをミックス)

バレンシアガ 2017秋冬
ノールールな着こなしで、秋コーデの多様性が増して行く中、今までだったら、絶対にコーディネートしないであろう「正反対のアイテム」を組み合わせるようなトレンドも出て来ています。
例えば、上の写真は、バレンシアガが、秋のコレクションで披露したフェミニンなワンピースの上から、レザージャケットを羽織るスタイルです。
上半身と下半身で、ファッションのテイストがガラっと変わってますよね。
2017年のバレンシアガは、こんな風に、クチュールとストリートファッションを合わせたようなスタイルをたくさん採用してました。
また、下の写真は、ニューヨークの秋冬コレクションで、ダイアンフォンファステンバーグが披露した、ジャージのようなスポーティなラインパンツに、女性らしいハイヒールの靴を合わせる秋コーデです。

ラインパンツにハイヒール
このほか、
- エレガントなドレスワンピースにスニーカーを合わせたり
- 機能的なダウンジャケットをキラキラのビジューで飾ってみたり
相反するようなテイストのアイテムを組み合わせることによって、逆に新鮮さを生み出すような手法は、今季、多くのレディースファッションブランドが採用していました。
リアルコーデで取り入れる場合には、今まで組み合わせたことはないけれど、スポーティとフェミニンとか、ガーリーとボーイッシュとか、可愛いとカッコイイとか、あえて、反対側にあるテイストのアイテムを引っ張り出して来て、試してみるのがおすすめです。
3.ブリティッシュスタイル

ステラマッカートニー 2017AW
既存のファッションルールに縛られない…という流れから、2017年のレディース秋服では、意外性のある柄と柄をコラージュして、派手なデザインにしている洋服も目立つのですが、その一方、チェック柄を中心に、少しかっちりめの英国風スタイルを取り入れる海外ブランドも目立ちました。
代表的なのが、パリコレクションのステラマッカートニーで、グレンチェックやタータンチェックはもちろんのこと、ヘリンボーンや千鳥格子を取り入れたメンズライクなレディース秋コーデも多く披露していました。
イギリスを代表する端正なテーラードスタイルは、30代~40代の大人の女性のスーツスタイルやオフィス服の参考になりそうですが、上から下まで、正統派でバッチリ決めるのではなく、部分的にわざとアンバランスに着崩した方が、今年っぽい着こなしになります。
レトロファッションっぽい雰囲気もあり、10代~20代の女子も雰囲気を真似出来そうなのが、トリーバーチがニューヨークコレクションで披露したスタイルです(写真下)

トリーバーチ 2017AW
レトロなニットとチェック柄パンツやスカートでスクールガール風にしたり、チェック柄ジャケットとコーディロイのスリムなパンツで、クラシカルな秋コーデにしたり…。
昔の映画の女優さんが着ていたような洋服が多いので、クラシカルファッションが好きな人は、トリーバーチのスタイルも参考にしてみて下さいね。
4.進化系フェミニン

ランバン 2017秋冬
フェミニンコーデは、今年の秋、より女性らしく、エレガントなスタイルに進化。
素材で注目しておきたいのは、ラグジュアリーな雰囲気もあるベルベットとベロア。
さらに、光モノやグリッターな感じの素材が好きなら、サテンもおすすめです。

ランバン 2017秋冬
海外ブランドの秋冬コレクションでは、フリル、リボン、ラッフルなどで、ディテールを持った服が多かったからか、国内ブランドでも、ラッフルフリルを身頃全体に使ったチュニックや、チュール刺繍でヴィンテージファッションっぽく仕上げたワンピースなどを、秋の新作で、投入して来るブランドも出て来ています。
5.パワーショルダー

ロシャス 2017秋冬
バブル時代に大流行し、数年間にもリバイバルヒットした肩パットを入れたスタイルがパワーショルダーとして、今年も復活。
ただし、今年のレディース秋服では、ロシャスのショートコートのように、さりげなく肩パッドを入れるスタイルが主流になっています。
中には、肩パットを入れてないけれど、素材の張りを利用し、裁断や縫製でいかり肩のラインを描くブランドも登場。

クロエ 2017秋冬
さらに、ジャケット型のチェスターコートやコクーンコートだけじゃなく、パリのクロエのようにファーコートにも、パワーショルダーを取り入れてきたブランドもあります。
6.カラフルファー

プラダ 2017AW
環境保護や動物愛護の観点からも、ファーの主流は、リアルファーからフェイクファーに映って来ましたが、技術の発展からか、ここ数年、毎年のように、フェイクファーの色のバリエーションが増えていき、カラフルファーの人気は衰え知らずです。
白、黒、ベージュの基本カラーはもちろんのこと、赤、青、グリーン、オレンジといった鮮やかな色合いのカラフルファーも増え、毛足の短いぬいぐるみのようなファーも出て来ています。

プラダ 2017AW
ゴージャスでインパクトのあるスタイルが好きな人には、全面ファー使いの洋服がおすすめですが、最近のブームから、襟や袖口だけ部分的にカラーファーを使ったアイテムもたくさん出て来ているので、さりげなく秋ファッションに取り入れてたい人は、そちらの方がおすすめです。
7.ボリュームトップス

マルケスアルメイダ 2017秋冬
トップスで、今年の秋っぽい着こなしにするなら、体型カバーにも使えるくらいボディーをゆったり覆うオーバーサイズのシルエットがおすすめです。
手先まですっぽり隠れるほど袖丈が長い「ぶら袖」や、袖口にかけて膨らみのある「ぷっくり袖」は、以前から流行っていましたが、今年の秋もトレンド継続中です。

マルケスアルメイダ 2017秋冬
国内ブランドのリアルクローズでは、秋なのにオフショルダーにしたり、襟抜きの着こなしにしたり出来る服も出て来ていて、肌出ししたくない場合には、インナーを来て、その上からオフショルダーのトップスやアウターを重ね着するような着こなしも提案されています。
8.ロング丈アイテム

オスカー・デ・ラ・レンタ 2017秋冬
秋服と言うよりも、どちらかと言うと、冬服のメインアイテムですが、今年の秋冬のコートは、たっぷりとした長い丈がトレンドになっています。
コート全体のシルエットも、ゆったりとしていて、リラックス感がある羽織モノのような見た目が主流。

エルメス 2017秋冬
ブランドによっては、ショートコートやハーフコートもありますが、基本的には、コートはもちろん、トップスも、ボトムスも、カジュアルファッションでも、コンサバファッションでも、ロング丈がトレンドです。
さらに、ギャザースカートやプリーツスカートなど、秋のスカートでも、足首が見え隠れするくらいの長い丈がトレンドなっています。
9.豪華系スポーツファッション

ポールアンドジョー 2017AW
アスレジャーブームの盛り上がりからか、スポーティーなスタイルは、このところのレディースファッションで外せないジャンルになっていますが、今年の秋、特徴的なのは、スポーツファッションなのに、シルクやベルベットなどの素材を持ち込んでリュクス感を出していることです。

マーク・ジェイコブス 2017AW
秋冬のニューヨークコレクションで、マーク・ジェイコブスが提案したジャージのようなスタルでも、ファスナーはゴールドで豪華仕様。
その上、スタイリッシュな帽子をかぶり、さらに、帽子を止める紐の先からは、まるでネックレスのように、金色のアクセサリーがぶら下がり、従来のスポーツファッションのイメージを覆しています。
10.ウエスタンなカウガール

ハウスオブホランド 2017秋冬
カーボーイ風のウエスタンスタイルは、以前にも流行したことがありましたが、2017年の秋ファッションでも、ダークホース的にトレンドに浮上して来ました。
今季のウエスタンスタイルは、土臭くなく、あくまで、都会的な雰囲気を残しつつカウガールに仕上げてるのが特徴。

アシュリー・ウィリアムズ 2017秋冬
カーボーイハットやウエスタンシャツ、馬や牛をモチーフにしたワンピースやドレスに、西部劇のサボテンイメージのジャガードニットなどなど…。
ダサさとキュッチュな面白さを行き来しつつ、オシャレにウエスタン要素を取り入れるブランドがけっこうありました。